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基礎的な理論

アドラー心理学の 【 ライフスタイル 】 のまとめ

投稿日:2017年7月7日 更新日:

mako
ライフスタイルってファッションとか?趣味とかのことですか?
アドラー心理学での『ライフスタイル』は、
性格や人格・生き方・行動原理を表します。
kitto

ライフ(Life)=人生
スタイル(style)=型・様式

 ・・・ と言葉をイメージするとわかりやすいかもしれません。

mako
なるほど!外見じゃなくって、中身ってことね!
アドラーは、「ライフスタイルは、個人の運動法則」と言い表したほどで、
人間を理解するアドラー心理学の中心的な言葉なんですよ。
kitto

アドラー心理学のライフスタイルとは

アドラーは、「ライフスタイルは、個人の運動法則」と言い表しました。

また、アドラーの愛弟子であるハロルド・モサックは、「ライフスタイルは、個人の信念体系の全体であり、個人の認知構造の全体」といい表しました。

個性・性格・クセというとイメージしやすいです
kitto
ある行動や手段を選び出す原因(ライフスタイル)を理解することが大切なんですね
kitto

行動を選ぶ起点

対人関係などの、取り組んだ方が良い物事の中で、どのような行動が失敗したり成功したりするのか。

ライフスタイルは、すべての行動の起点となります。

問題行動を起こすのも、良い行動を起こすのもライフスタイル次第です。

ライフスタイルが、タスク(課題)に取り組む行動に
どう影響するか見てみましょう。
kitto
タスク:マンションの協同玄関を掃除する
ライフスタイル 被害者意識
タスク マンションの協同玄関を掃除する
行動 自分が汚したわけではないのに掃除しなくてはいけないという態度。
第三者からの評価 環境改善に前向きに見えない。非協力的。
ライフスタイル 周囲との協力を重視する
タスク マンションの協同玄関を掃除する
行動 掃除のついでに、住人に挨拶する。
第三者からの評価 前向きで感じのいいい人。
タスク:営業部の目標達成
ライフスタイル 主体性なし
タスク 営業部の目標達成
行動 上司や同僚からの指示をこなす。
第三者からの評価 意見や率先した行動なく、貢献度は低く見える。
ライフスタイル 経験を最大限活かす
タスク 営業部の目標達成
行動 過去にうまく行った施策を共有する。失敗した施策を共有する。
第三者からの評価 率先した行動と全体への貢献する姿勢が見える。
タスク:子供の成績を上げる
ライフスタイル 結果重視
タスク 子供の成績を上げる
行動 通知表の内容にこだわる。
第三者からの評価 成績の上げ方や取り組む姿勢をフォローしないため、効果が期待できない。
ライフスタイル 同じ目線に立つ
タスク 子供の成績を上げる
行動 子供の勉強と自分の家事のスピードを競わせる。
第三者からの評価 成績向上のためのプロセスを一緒に歩んでいる。
mako
ライフスタイル次第で、大きく変わりますね。
ライフスタイルが、行動を選ぶのですね。
kitto

補足:ペルソナ論

相手によってライフスタイルは変化します。

家族に対しては、強気だったり。
同僚相手には、フレンドリーだったり。
女性相手には、消極的だったり。

状況に応じて、その相手に応じたペルソナが出てきて、ライフスタイルが変化し、行動が決まっていきます。

会社ではキャリアウーマン。
家庭では母親。
友達とは天然キャラ。
ご近所さんとはおしゃれな奥様。

ただし、背後に統一されたライフスタイルが存在します。

統一されたライフスタイル > ペルソナに応じたライフスタイル と考えるとわかりやすいです。

ペルソナに応じたライフスタイルに問題があって、不利益な行動をする。
⇒だから、ペルソナに応じたライフスタイルをより良いものに変えるべき。

そもそも統一されたライフスタイルに問題があって、各シーンで不利益な行動をする。
⇒だから、統一されたライフスタイルをより良いものに変えるべき。

あなたの行動を変える、出発点

アドラー心理学は、人が幸せになる援助をするための心理学です。

ライフスタイルを分析することが目的ではなく、より良いライフスタイルにすることが目的です。

再教育:re-orientation

ライフスタイルを分析した後、日常の行動と併せてより良いライフスタイルに育てていくことをアドラー心理学では、再教育といいます。

正対的なメッセージを使った再教育

mako
正対的なメッセージ?
会話の中でより良い考え方に誘導し、より良い行動を選択できるようになろうという狙いです。
kitto

会社の同僚と仲良くなりたいのに、なかなか仲良くなれない人にどのようなアドバイスが的確でしょうか?

saku
会社で顔を合わせても、コミュニケーションが取れません
どうすればコミュニケーションが取れると思いますか?
kitto
saku
元気にあいさつするとか・・?
明るい人に感じるし、とてもいいと思いますよ!
明日からしてみたらどうです?
kitto
saku
変な感じになったらやだなって・・・
今までと同じなら、今まで通り何も変わりませんよ?
いいんですか?
kitto
saku
そうだよなぁ・・・挨拶くらい元気にやってみようかな。

相談者は、「自分は少し暗いかな。明るいほうがいいだろうな。」⇒「少し明るくしてみよう!」と考えたようです。

私は、あくまで今までの行動を違う視点で見るお手伝いと、新しい行動を実行できるように背中を押しただけです。

これを正対的なメッセージを使った再教育といいます。

ペルソナを使った再教育 

mako
ペルソナを使う??
より良いペルソナになりきって、より良い行動を選択できるようになろうという狙いです。
kitto

先ほどと同じ例を使ってみましょう。

会社の同僚と仲良くなりたいのに、なかなか仲良くなれない人にどのようなアドバイスが的確でしょうか?

saku
会社で顔を合わせても、コミュニケーションが取れません
その人と、仲良くなる・円滑なコミュニケーションを取れるようになるのが目標ですよね?
kitto
saku
はい。そうです。
会社で会った時、どうすればいいと思いますか?
kitto
saku
元気にあいさつするとか・・?
明るい人に感じるし、とてもいいと思いますよ!
明日からしてみたらどうです?
kitto
saku
変な感じになったらやだなって・・・
なるほど。誰だったら、どんな人だったらうまくできると思いますか?
kitto
saku
芸能人の「柳沢慎吾」さんなら、気持ちよく挨拶しそう
それでは、挨拶するときだけでも「柳沢慎吾」さんになりきってしてみましょう!
kitto
saku
なるほど。感じの良い挨拶をしてるイメージが湧いてきました。
その時だけ、いつものあなたでなく、「柳沢慎吾」さんになりきるのです。
kitto
うまくいけば、いつでも「柳沢慎吾」さんみたいに振る舞うことができるようになりますよ。
kitto

ライフスタイル分析

他人の言動を観察して、ライフスタイルを見極めるのはとても難しい作業です。

なぜなら、一見消極的な人に見えても安全安心を重要視している場合だってあるし、リーダーシップに溢れた行動的な人に見えても実は他人を蔑むような価値観の持ち主が回りを信頼せずに行動していただけなのかもしれません。

アドラー心理学の研究者たちは、ライフスタイル診断の手がかりになるよう、【ライフスタイルの類型】【ライフスタイルの構成要素】【導き出す手法】を考え出してきました。

ここでは、個人のライフスタイルを理解するための手がかりとなる考え方【ライフスタイルの類型】【ライフスタイルの構成要素】【導き出す手法】をお伝えします。

これらがヒントになって、相手の行動の裏にあるライフスタイルがどのようなものかわかり、行動の目的やより良い行動のためのアドバイスを行うことができるようになるでしょう。

ライフスタイルの類型

アドラー心理学では、一人ひとりのライフスタイルは違うもので、同一のライフスタイルを違う人間が持つことはないと考えています。

なぜなら、ライフスタイルは個人の個性でありパーソナリティー全体を表現するからです。

同じ状況であっても人によって行動内容に少しづつ差が出ます。

だからこそ、個人のライフスタイルを的確に言うことは困難です。

それでも少しでもライフスタイルを理解しやすいように、ライフスタイルを類型化しています。

あくまで理解するためのヒントとして、活用することが大切で、深淵な個人のライフスタイルをこれから紹介する型にはめて理解した気にならないように気をつけましょう。

また、類型であるけど排他的でなく、一個人の中に共存することもあります。

アドラーによる類型

アドラーは、4つの類型を表現しています。

これらは、あくまでも目安であり、ライフスタイルが同一の人間はいないことを忘れないでください。

支配型

相手との関係は常に支配的または優越な立場を指向する

欲張り型

他者に依存し得るタイプ

回避型

課題を回避し安心感や納得感を得ようとする

社会有益型

自分と他者にとって有益な方法を志向する。社会や共同体への貢献度が高い傾向がある

ニックネームを使った類型

行動や行動を観察しニックネームを当てはめることで、個人のライフスタイルを捉えようとします。

ここで大切なことは、状況によってライフスタイルは変わることがあるということです。
ペルソナ参照

また、各ニックネームは排他的でなく一個人の中に共存することもあります。

ドライバー

勝利を追求し、努力を怠らず自分自身に十分な自信を持っています。

反面、他者より優位にあろうとするために不要な軋轢を生むことがよくあります。

また、他者を信頼しない傾向があるため自分で物事を抱えすぎてしまうこともあります。

「仕事中毒」とよばれるタイプです。

ベイビー

他者からの庇護や指示、同情や共感を集めることを重視します。

そのため、注目をあつめるような振る舞いが得意で、ユーモアに富みみんなで楽しもうとします。

共同体感覚があまりない人の場合、自傷行為・他傷行為によって自分への注意を向けようとするので危険です。

自分のために他者が取り組んでくれることに満足感を感じます。

エキサイトメント・シーカー

興奮を求めて刺激的な行動を取ります。

ルーチンワークや惰性での作業が苦手で、大胆な行動を取ります。

刺激を求める興奮が良い方向に向く限りは、創造的な生活を送り、自分に刺激を与える人と行動をともにすることを好みます。

しかし、悪い方向に向くとドラッグやギャンブル、他人との抗争など危険な行動を選ぶ可能性があります。

ストレスを興奮材料に変えて物事や相手に向かってく、上手にストレスと付き合う人もいます。

コントローラー

完璧主義者・潔癖主義者とあわらすとイメージしやすかもしれません。

自分の感情や行動を完全にコントロールを好むため、細やかな配慮に優れ、決まったルーチンを順序立ててこなしていきます。

そのため周囲から信頼を得やすく建設的な関係を気づくことも期待できます。

ただし、過度に傾向を強めると柔軟性がなく、創造性のない人間、自分にも他人にも厳しすぎる人間性と捉えられます。

また、相手の感情や思考を決めつける傾向があるため信頼を得ることに失敗することも多くあります。

最優先目標による類型

アドラー心理学では、人間は社会的な生き物であり、【所属】という感覚なしでは幸せになれないと考えています。

【所属】という感覚を得るために『最も大切にしていること』『最も避けなければいけないこと』という視点から分類しようとするモデルです。

また、対人関係が優先であるか ⇔ 課題の達成が優先であるか 受動的であるか ⇔ 能動的であるか という視点でも整理することが可能です。

  • 安楽でいたい(安楽型)
  • 好かれたい(喜ばせ型)
  • 主導権を取りたい(支配型・コントロール型)
  • 優秀でありたい(優越型)

個人の最優先目標を観察し類型を当てはめることで、個人のライフスタイルを捉えようとします。

ここで大切なことは、状況によってライフスタイルは変わることがあるということです。
ペルソナ参照

また、各類型は排他的でなく一個人の中に共存することもあります。

安楽でいたい(安楽型)

人当たりがよく、柔軟性のある性格です。

組織の中では緩衝役であり、平和を好み、積極的な行動を起こさないタイプです。

そのため、生産性の向上は苦手で、消極的と見られることもあります。

ただし、トラブルを避けるためには積極的に取り組みます。

好かれたい(喜ばせ型)

相手に好かれることを重要視し、好かれる努力を惜しみません。

組織の中でも、誰とでもコミュニケーションを取れる傾向があるため、良い潤滑剤役となります。

ただし、人に嫌われることを極度に恐れるため八方美人な行動に走りがちで、意志に定まりがなく信用できない、本心がわからないなどと評価されることもあります。

主導権を取りたい(支配型・コントロール型)

組織や共同体の中で、リーダーシップを発揮できる立場を求めます。

そのために、周囲をまとめて組織をリードしていきます。うまくいっている時は、頼りがいのある人と評価されます。

一方、まわりをコントロールしようとしてると捉えられて反発心を買うこともあります。

自分より明らかに上の立場の人物が現れると、困惑し混乱しアイデンティティが保てなくなるほどの動揺を起こすこともあります。

優秀でありたい(優越型)

非生産的な活動を避けて、自身を高めることに喜びを感じます。

まわりのひとの生産活動に頼ることなくに、自分自身の生産に没頭するため、一人でなんでもやってしまう傾向があります。

うまくいっている時は、やり手であり、優秀な人間と捉えられます。

一方、自分自身に集中するために、まわりの人間が劣等感を感じることもあります。

また、努力するとできると考える傾向が強いために、自分ひとりで抱え込みすぎて体力的にも精神的にも疲労しすぎることもあります。

ライフスタイルの構成要素

アドラーの直弟子であるハロルド・モサックは、ライフスタイルには3つの構成要素があると考えました。

  • 自己概念
  • 世界像
  • 自己理想

構成要素を解き明かすことで、個人のライフスタイルを捉えようとしています。

3つの要素を言葉・行動の中から当てはめることで、ライフスタイルが見えてきます。

ここで大切なことは、状況によってライフスタイルは変わることがあるということです。
ペルソナ参照

 

自己概念

「私は○◯だ。」という信念。自分自身がどういう人間か捉えていることで、行動や無意識に影響します。

例1)「私は走るのが好きだ。」⇔「私は体を動かすのが嫌いだ」これらは運動習慣について大きく差が出ます。

例2)「私は泳げない。」⇔「私にだって浮くことぐらいできる。」苦手なプールの中でどちらが早く泳げるようになるでしょうか?

世界像

「世界(周囲の人・人生・見知らぬ人・知人・友人etc)」は、〇〇だ。」

世界は自分に対してどういう態度をとるのか、どのような関係性なのか。世界は私にとってどういう存在か。

世界をどのように捉えるかで、かかわり方は大きく変わります。

例1)「世界は優しい人がたくさんいる」⇔「世界は自己中心的な人ばかりだ」

例2)「会社の同僚は競争相手だ」⇔「会社の同僚はともに課題をクリアする仲間だ」

自己理想

「私は○◯であるべき」理想的な自己像

「人生や周囲は、私に対して○◯であってほしい」理想的な世界像

私はどうありたいのか。

私は何を得たいのか。

私は何を避けたいのか。

例1)「私は収入が多い人間であるべきだ」であるなら
まわりの人と自分への評価は、収入をベースとしたものになるでしょう。
また、行動の中心は収入を増やすことに費やされます。

例2)「私は感じの良い人間であるべきだ」であるなら
まわりの人による自分の立ち居振る舞いや服装への評価を気にするでしょう。

早期回想で導き出す

ここまで紹介した『類型』は、個人の言葉や行動をある程度のパターンに当てはめて、より具体的な個人ごとのライフスタイルを知っていこうとする方法でした。

【早期回想】は、想い出の中のある条件に合致した印象的な出来事のとこです。

早期回想を4~5つ集めて分析し、ライフスタイルを見出していきますが、早期回想を集めてライフスタイルを分析する手法全体を早期回想と呼ぶこともあります。

早期回想として採用する条件。

  • 明瞭に思い出すことができる想い出
  • 1回きりの出来事
  • 感情を思い出せる出来事
  • 10歳ぐらいまでの想い出

例1)「3年生の頃に私が友達を叩いたことがあって、大事になり、母親が泣きながら相手の親に謝っていた。自分のせいで母親を悲しい気持ちにさせて、とても辛かった。」

分析)ここで深掘りすべきなのは、なぜ辛かったのかです。

母親をつらい気持ちにさせたことでしょうか?
母親の期待をうらぎり自分への評価が下がったからでしょうか?
母親が自分を信じて「この子は叩いてないはず」などと考えてくれなかったからでしょうか?

早期回想を元にして、ライフスタイル分析を行っていきますが、そのためには相手の心理を理合いするためにより詳しいヒアリングが必要となります。

例2)「保育園の頃に急な発熱で入院し、病院のベッドで横になっていた時、とても不安で心細かった。」

分析)ここで深掘りすべきなのは、なぜ不安で心細かったかです。

死を感じたから?
もしかして一人で寝ていたから?
急に状況が変わったから?

この早期回想を元にして、ライフスタイルに迫っていきます。

まとめ

アドラー心理学の重要項目である【ライフスタイル】にについての重要事項を網羅しました。

ライフスタイルの役割はイメージできましたか?
kitto
mako
自分の行動を決めるのがライフスタイルで
mako
より良い自分になりたいなら、ライフスタイルを成長させる!
その通りです。それでは、最後にメモを残しておきますね。
kitto

「アドラー心理学は、人が幸せになる援助をするための心理学」

「ライフスタイルは、個人の運動法則」

「問題行動を起こすのも、良い行動を起こすのもライフスタイル次第」

「状況に応じて、その相手に応じたペルソナが出てきて、ライフスタイルが変化し、行動が決まる」

「ライフスタイルを分析することが目的ではなく、より良いライフスタイルにすることが目的」

「再教育とは、日常の行動と併せてより良いライフスタイルに育てていくこと」

「再教育には、ペルソナを使った再教育と正対的なメッセージを使った再教育がある」

「ライフスタイルには、アドラーによる類型・ニックネームを使った類型・最優先目標による類型がある」

「ライフスタイルには、3つの構成要素がある」

「早期回想を使ったライフスタイルを分析する方法がある」

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