不適切な行動をする理由
すべての行動には、目的があります。
自分自身や相手にとって不利益だったり、不適切だと思える行動にも目的があります。
- 目的達成のための、不健康な食習慣であったり・・・
- 目的達成のための、非効率な行動であったり・・・
自傷行為のような自己破壊的な行動であっても、自分にとっての目的達成のための行動なのです。
不適切な行動を止めるには
目的があるから、不適切な行動をします。
不適切な行動を無理やり止めてもあまり良い結果にはなりません。
不適切な行動だけに注目して、無理やりやめさせようとするのは・・・
- 引きこもっている人に、「引きこもるな!」と言うようなものです。
※なぜ引きこもっているのか?引きこもることでどんなメリットがあるのか?
※それらを理解して、代替案を提示しサポートすることが引きこもりを止める動機づけとなります。 - イライラしている人に、「イライラするな!」と言うようなものです。
※なぜイライラしているのか?そのイライラして何を変えようとしているのか?
※そのエネルギーをどう発散するのかという気づきがイライラの終結に繋がります。 - 浪費グセのある人に「貯金しろ!」と言うようなものです。
※浪費することで何を得たのか?
※友達や知人はどのようにお金を扱っているのかという気づきが浪費の抑制に繋がります。
だから、まずは不適切な行動の目的を理解します。
目的を知って、正しく対処する。
これが、不適切な行動の繰り返しを止めて、適切な行動を習慣づけるただ一つの方法です。
『不適切な行動の目的を理解して、適切な行動に変化させる。』
不適切な行動の種類
不適切な行動には、主に4つの目的があります。
※目的はニーズ(欲求)とも言いかえることができます。
- 注目・関心を得たい
- 権力・優越感を得たい
- 復讐したい
- 自己欺瞞(無気力・無能力・絶望を示したい)
不適切な行動の目的の見極め方と正しい対処法
注目・関心を得たい
本人の行動 | 本人の感情 |
---|---|
落ち着きのない行動 |
目立つ行為・反感を買う行為であっても、「関心」を示されることを優先する 周囲からの関心を最優先課題とする |
乱暴/暴言 | |
邪魔をする/進行の障害となる | |
オーバートークで気を引く |
相手の行動 | 相手の感情 |
---|---|
注意する | イライラする |
叱る/声をかける | 気をもむ |
呼び寄せる/向かっていく | ハラハラする |
驚いてみせる |
正しい対処法
周囲の人や相手となっている人は、本人には適切な行動を心掛けるようになって欲しいのに・・・
- 本人は、『「相手の求める適切な行動」では、相手の注目を引けていない』と考えている。
- 本人は、『「相手の求める適切な行動」では、相手の関心を得られない』と考えている。
だから、注意や関心を引くために邪魔や乱暴をするわけです。
つまり、【注意や関心を引くために ⇒ 邪魔や乱暴をする】 ⇒⇒ 【注意や関心を引くために ⇒ 適切な行動をする】に変えてあげなければなりません。
そのために必要なことは、
- 不適切な行動に、大きな注目をしない。冷たく対処する。
- 普段の生活の中で、普段行っている適切な行動に大きな注目と関心を向ける。
不適切な行動では、良い関心を得られず、適切な行動では前向きな関心を得られるという、環境や成功体験が必要なのです。
権力・優越感を得たい
本人の行動 | 本人の感情 |
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威張る |
対人関係での力争いを好み、自分の価値意識を強制する 自分の存在が最重要であることを強制する
|
馬鹿にする/見下す | |
友人や知人を理由をつけて選別する | |
仲間はずれにする | |
非論理的・非倫理的な反抗をする | |
共同体に対する非協力と自分主導の提案 |
相手の行動 | 相手の感情 |
---|---|
言い返す/反論する | ムカッとする |
馬鹿にする/見下し返す | 軽蔑する |
仲間はずれにし返す | 残念な気持ちになる |
やり返す |
正しい対処法
威張られたり、バカにされたりすると、ムカッとした気持ちになって、思わず言い返したりやり返したりしたくなりますが、それでは自分も相手の生産的な行動に移れません。
権力や優越感の奪い合いで、両者とも消耗してしまいます。
威張ってきたり、見下してきたら、あなたは一呼吸おいて感情に流されず、出来るだけ穏やかに対処しましょう。
相手の感情の使いみちを誘導してあげたり、提案することがベストな対処法です。
復讐したい
本人の行動 | 本人の感情 |
---|---|
不機嫌な態度をする | 相手は敵にしか見えていない |
毒づく/イヤミを言う | 同じような嫌な感情を味わわせるようにする |
仲間はずれにする | 恨みをぶつける対象にしか見えていない |
共同体の輪の中からはみ出る |
相手の行動 | 相手の感情 |
---|---|
やり返す | 傷つけられた |
無視する/相手にしない | 嫌な感じを覚える |
正しい対処法
ただ単純な自分への負担感からの復讐ならマシですが、前項の権力を得たい・優越感を得たいという感情のより強化された感情の場合は、第三者の介入が必要となります。
- 報復をしない
- 攻撃の応酬とならないように気をつける
- 存在を見捨てない姿勢を示す
- 信頼の回復に専念する
- それでもうまくいかない様子なら、本人が信頼する第三者に協力を求める
自己欺瞞(無気力・無能力・絶望を示したい)
ここまでの3つの目的と違い、自己欺瞞(無気力・無能力・絶望を示したい)の相手は本人自身であることも多いのが特徴です。
自分に対して嘘をついて、本当の目的達成を遠ざけるような不適切な行動を選択したり、目的への進行を止めて何もしない状態を維持してしまうなどです。
本人の行動 | 本人の感情 |
---|---|
続かない/計画の途中で止める | 一人にしてほしい・ほっといてほしい |
今からやっても時間が余るとか意味のない心配をする | 失敗したら嫌だ |
ついテレビを見てしまう | もっとやるべきことがある |
◯◯をしたいんだけど、△△だからできない | 今はやりたくない |
私は◯◯だからうまくいかない | 私には無理・できない・才能がないからできない |
もっと◯◯だったらできるのになぁ |
相手の行動 | 相手の感情 |
---|---|
打つ手なし | さじを投げたい |
正しい対処法
- 本人の気持ちに共感する姿勢を持つ
- 本人の気持ちの変化を待つ態度を見せる
- 少しづつ可能な範囲で働きかけていく
- 小さな変化や良いところを育てていく
自身の内面・感情を見る
- 自分の目的を見つめ直す
- 自分自身が自己欺瞞を行っているということを認識する
- あなたの人生はあなたが決めている
ペルソナを使った再教育
- 自分が思う優秀な人の意識の持ち方・取り組み方を憑依させる
- 理想的な行動を起こす誰かを演じる